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裁判上の離婚原因

有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者とは、婚姻が破たんする原因を作った方の配偶者をいいます。有責配偶者が離婚請求をした場合、@別居期間の長さA子どもが経済的・社会的に自立できる状況かどうかB離婚により、相手の配偶者が精神的・経済的に苛酷な状況におかれるか、などの事情を総合的に考慮したうえで、離婚が認められるかが判断されることになります。

最高裁は昭和27年の判例で、有責配偶者からの離婚請求に対し、「勝手に愛人をもった夫からの離婚請求が許されるならば、妻は踏んだり蹴ったりである」と判示し、その後35年間にわたり有責配偶者からの離婚請求を否定してきました。しかし、その後昭和62年に、最高裁は、夫婦関係が破綻し、妻以外の女性と同棲関係にある有責配偶者(夫)からの離婚請求に対し、@夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること、Aその間に未成熟の子が存在しないこと、B相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等、離婚請求を認容することが著しく正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと、といった一定の要件の下で、有責配偶者からの離婚請求も認められる場合があるとする判決をしました。

@ 相当長期間の別居について

判例は、有責配偶者の離婚請求を認容する場合、夫婦の年齢・同居期間に比べて別居期間が長期に及んでいることを重要な要素としています。

どの程度であれば別居期間が長期に及んでいると判断されているのでしょうか。

判例・裁判例の動向を見てみると、当初は別居期間30年であったところを、別居期間22年、別居期間16年、別居期間10年余と短縮し、さらに、平成2年には、別居期間8年の事案について有責配偶者の離婚請求を肯定しています。

もっとも、別居期間8年余という他の事案では、夫婦の年齢・同居期間との対比において別居期間が相当長期に及んでいるとはいえないとして、有責配偶者の離婚請求が否定されています。

A 未成熟子の不存在について

有責配偶者の離婚請求に際しては、未成熟子が存在しないことが要件の一つとされています。両親の離婚によって未成熟子の家庭的・教育的・精神的・経済的状況が根本的に悪くなり、その結果未成熟子の福祉が害されることになるような特段の事情があるときには、未成熟子のために、有責配偶者からの離婚請求は認められないとしたものと考えられます(なお、未成熟子とは、親の監護なしでは生活を保持し得ない子どもをいいます。)。

もっとも、有責配偶者からの離婚請求の場合、未成熟子が存在すれば必ず離婚が認められないというわけではありません。最高裁は平成6年の判決で、未成熟子(高校2年生・17歳)が存在しても、有責配偶者の離婚請求を認めています。

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