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離婚についての知識knowledge

面接交渉(面会交流)

面接交渉(面会交流)とは

面接交渉(面会交流)とは、離婚をし、子どもの親権者・監護権者にならなかった親(非監護親)が、子どもと会って一緒に遊んだり、話をするなどの親子の交流をすることです。

面接交渉について、父母での協議がまとまらなかった場合は、家庭裁判所に調停・審判の申し立てをすることになります。
調停・審判においては、家庭裁判所調査官の調査や、試行的な面接交渉を行うことがあります。そして、どの程度面接交渉を認めるかは、「子どもの福祉」に合致するかという視点が重要になります。

審判においては、子の意思、子の年齢、子の生活環境・養育環境に及ぼす影響、監護親の意向や生活状況、非監護親の生活状況、非監護親に問題があるか、離婚に至った経緯、現在の両親の関係、子と非監護親との関係などが考慮されます。
一般的には、親権者でない親の子に対する面接交渉権が認められないケースとしては、①離婚後、親権者となった親が再婚し、再婚相手と子が養子縁組をしたケース、②子の両親の葛藤が激しいケース③酒乱・暴力等、親権者でない親に問題があるケース、、などがあるといわれています。

面接交渉が否定された審判例

2人の子を母親(元妻)が引き取っての離婚の原因が元夫の暴力にあり、元妻が離婚後PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、安定剤等の投与を受けてきたほか、心理的にも手当てが必要な状況にあり、さらに、母子3人の生活を立て直し自立するために努力しているところであって、子らと父親(元夫)の面接交渉の円滑な実現に向けて母親(元妻)と対等な立場で協力し合うことはできない状況にあるという事案で、「現時点で申立人(元夫)と事件本人(子ら)の面接交渉を実現させ、あるいは間接的にも申立人との接触を強いることは、相手方(元妻)に大きな心理的負担を与えることになり、その結果、母子3人の生活の安定を害し、事件本人の福祉を著しく害する虞が大きいといわざるを得ない」として、父親(元夫)からの面接交渉の申立てを却下した審判例があります。

別居中の面接交渉(面会交流)

面接交渉権(面会交流)とは、「離婚後、親権者若しくは監護権者とならなかった親がその未成年の子と面接、交渉する権利」のことをいいます。

なお、離婚係争中であっても、最高裁判所は、「別居状態にある父母の間で面接交渉につき協議が調わないとき、又は協議することができないときは、家庭裁判所は面接交渉について相当な処分を命ずることができると解するのが相当である。」と判断しました。したがって、離婚係争中で未成年子と別居中の親についても、子との面会が自主的な話合いによって実現しない場合には、家庭裁判所に子との面会を求める審判を申し立てることにより、子の福祉、利益を害さない限り、裁判所に子との面会を認めてもらうことができます。

相手方に面接交渉を拒絶された場合

相手方に、子の連れ去り等を懸念されて面会交渉を拒絶される場合があります。このような場合、調停中、すなわち、最終的に面接交渉の可否や頻度を決める前に、まず家庭裁判所で何度か試験面接を重ねるやり方や、調停成立後の面接交渉の方法として、第三者機関が用意する場所を面接交渉の場所とし、担当者の付き添い下での面接交渉をすることを取り決めるなどのやり方があります。

なお、離婚調停成立後、調停条項で取り決めた面接交渉を相手方方に遵守させるためには、面接交渉の頻度についての約束の不履行を不法行為であるとして損害賠償を請求する方法によるか、違反1回に対し制裁としていくらを支払わせる、という間接強制の方法によるかしかありません。