養育費の算定方法 ~父親と母親がそれぞれ子どもを引き取った場合~
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養育費の算定方法
家庭裁判所で行われる調停や審判などでは、標準的な養育費の金額を簡易・迅速に算定するために、養育費算定表が広く利用されています。
しかし、算定表は、養育費の支払を請求する側の親(権利者)のみが子どもを監護している場合を想定しているため、父親と母親がそれぞれ子どもを引き取った場合には、算定表では標準的な養育費の金額を算定できません。
それでは、父親と母親がそれぞれ子どもを引き取った場合には、どのようにして養育費の金額を算定するのでしょうか。
父親と母親がそれぞれ子どもを引き取った場合
父親と母親がそれぞれ子どもを引き取った場合の養育費の金額の算定方法としては、父親と母親それぞれの基礎収入を算定し、生活費指数に応じて具体的な金額を算定する、標準算定方式があります。
また、算定表と生活費指数を使って簡易に計算する方法があります。
以下、それぞれの方式による具体的な算定方法をご説明いたします。
標準算定方式
まず、父親と母親それぞれの総収入から、公租公課、職業費、社会保険料等を控除した「基礎収入」を算定します。
その後、義務者(養育費を支払う側の親)の収入をどのように按分すべきかを示す指数である「生活費指数」(親は「100」、0~14歳の子は「62」、15~19歳の子は「85」)を基に、次の計算式に当てはめて、権利者が監護する子どもの生活費を計算します。
子どもの生活費=義務者の基礎収入×権利者が監護する子どもの生活費指数÷(義務者の生活費指数+権利者が監護する子どもの生活費指数+義務者が監護する子どもの生活費指数)
その上で、次の計算式に当てはめて、義務者が分担すべき養育費の金額を算定します。
養育費(月額)=権利者が監護する子どもの生活費×義務者の基礎収入÷(権利者の基礎収入+義務者の基礎収入)÷12
算定表を利用した簡易な算定方式
まず、権利者が全員の子どもを監護していると仮定し、算定表に基づき標準的な養育費の金額を算定します。
その上で、次の計算式に当てはめて、義務者が分担すべき養育費の金額を算定します。
養育費(月額)=算定表記載の養育費×権利者が監護する子どもの生活費指数÷(権利者が監護する子どもの生活費指数+義務者が監護する子どもの生活費指数)
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