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医者・医師・歯科医師を夫にもつ妻の離婚について ~養育費と医学部の学費~

  • 医者・医師・歯科医師
医者の夫と妻の間の子どもは、大学への進学率、さらに、医学部への進学率が高いようです。

そして、医学部は6年制であり、卒業までの期間が長く、また、子が私立大学に進学した場合、国公立大学より学費が高額であるため、医学部卒業までの養育費の支払いをどのように考えるべきかが問題となります。

この点については、扶養料についての決定ではあるものの、次に掲げる大阪高裁平成29年12月15日の判例が参考になります。

大阪高裁平成29年12月15日決定

医学部生である子が、父に対し、離婚時に父と母が取り決めを行った養育費では、医学部の学費が不足しているとして、扶養料の請求をした事例において、この決定は、

①父は、離婚時に、養育費支払義務の終期について、子の医学部を含む大学卒業までとすることを了承していたこと

②父は、離婚時に、子が医学部に進学した場合に、養育費とは別に大学在学中の費用をできるだけ負担する旨申し出ていたこと

③父は、開業医として高額な収入を得ていること

④父は、子が私立大学の医学部へ進学することを否定していなかったこと

などを理由に、父に扶養料の支払義務を認めました。

詳しくは、
医者・医師・歯科医師を夫にもつ妻の離婚について~私立大学医学部に通う原審申立人が、父である原審相手方に対し、現在の養育費では学費等に不足が生じているとして扶養料の支払を求めた事案において、原審相手方は養育費のほかに一定の扶養料を分担する義務を負うべきとしたうえで、扶養料の分担額について、分担対象、分担割合、分担額から控除すべき額等を認定し、分担すべき扶養料を算定して支払を命じた事例をご参照ください。

医学部の学費と養育費について

上記決定を前提とした場合、養育費請求の場面においても、

①子の医学部進学についての父の同意の有無

②父の収入の多寡などの事情を総合的に考慮したうえ

で医学部の学費も考慮した養育費の額が判断されるものと考えられます。