年金分割 ~年金分割の対象となる年金は?~
- 年金分割
年金分割とは
年金分割とは、夫婦が離婚したときに、婚姻期間中に加入していた年金保険料の納付記録を妻と夫の間で分割することができる制度です(年金分割制度の概要については、年金分割 ~離婚時年金分割制度とは~をご参照下さい)。
日本には、公的年金制度と私的年金制度がありますが、これらの年金のうち、年金分割の対象とされているのはどの年金でしょうか。
日本の年金制度
まず、前提として、日本の年金制度について簡単にご説明します。
日本の年金制度は、以下のとおり、3階建て構造になっていると言われています。
- 1階部分
国民年金…日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する公的年金制度です。いずれの立場の人にも適用され、年金制度の基礎となるため、「基礎年金」と呼ばれています。 - 2階部分
厚生年金(旧共済年金を含む)…会社などに勤務している人や公務員及び私立学校の教職員が加入する公的年金制度です。報酬比例型の年金であり、国民年金(基礎年金)に上乗せして支給されます。 - 3階部分
私的年金…公的年金の上乗せ給付を保障する私的年金制度です。企業年金(企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金)や個人年金(国民年金基金、個人型確定拠出年金等)があります。
年金分割の対象となる年金
上記の年金制度のうち、年金分割の対象となるのは、厚生年金(2階部分)についてのみであり、国民年金(1階部分)及び私的年金(3階部分)は、年金分割の対象ではありません。
したがって、婚姻期間中、配偶者が国民年金だけに加入していて厚生年金に加入してない場合は、分割すべき年金がないため年金分割を請求することができません。
なお、国民年金(1階部分)は、年金分割の対象ではありませんが、上述のとおり、国民年金は、職業を持つ持たないにかかわらず、日本国内に住む全ての方が被保険者であり、婚姻期間中の基礎年金はご自身の年金として受け取ることができるため、基礎年金については配偶者との間で受給額に差が生じることはありません。
また、私的年金(3階部分)のうち、企業年金については、退職金の分割払いや前払いの性格を有するものとして、財産分与の対象になると考えられています。
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