不動産の財産分与④ ~自宅を売却する際の売買契約の締結と決済について
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婚姻期間中に夫婦が取得した不動産は、その名義が夫または妻のいずれであるかにかかわらず、夫婦共有財産であり、財産分与との対象となります。
本コラムでは、財産分与にあたり、自宅を売却する際の売買契約の締結と決済について解説いたします。
売却契約にかかる諸費用
不動産の売却には様々な費用が必要となります。仲介を依頼する不動産会社とも相談して、売却にかかる諸費用を把握するようにしましょう。
売却にかかる主な費用
- 仲介手数料
- 抵当権抹消費用(抵当権の抹消を司法書士に依頼する場合は、司法書士の報酬)
- 不動産売買契約書の印紙税
- 測量費用(土地を実測して引き渡す場合)
条件交渉と契約の準備
不動産購入希望者との交渉は、仲介を依頼した不動産会社を通じて行います。
不動産会社を通して、購入希望価格、代金の支払条件、引き渡し希望日など、購入希望者の基本的な希望条件が記載された買付証明書が売り主に提示されます。不動産会社は、売主、買主双方の条件を確認した上で、これまでの経験などに基づいて、条件を調整してくれるでしょう。
物件情報の提示
宅地建物取引業法の規定により、不動産会社は、売買契約が締結される前に、買主に対して物件や契約条件などにかかわる重要事項の説明をすることが義務づけられています。
売主は、不動産会社に対して、物件の関連書類を漏れなく提供するとともに、トラブル防止のためにも、物件の過去の履歴や瑕疵を正確に提供することが望ましいです。
売買契約
売買の条件について双方の合意が調えば、売買契約を締結します。売主と買主が集合し、売買契約書を読み上げて契約内容の最終確認をし、売買契約書に署名・押印します。
売買契約締結の日に、手付金等の授受を行うことが一般的です。
売買の決済
売買代金の決済は通常、当事者が一同に会して行います。
売主による所有権の移転登記、および物件の引き渡し義務と、買主による残代金を支払義務は同時に履行するのが原則です。
登記手続は、司法書士に依頼することになります。仲介を不動産会社に依頼した場合、不動産会社指定の司法書士が登記手続を行うことが一般的です。