面会交流とは
- 面会交流
子どもと一緒に暮らし、子どもの世話や教育をする親の権利義務を監護権と呼びます。
監護権は親権の一部なので、原則として親権者が監護権を行使します。
しかし、親権者が子どもを監護できない事情がある場合や、親権者ではない親が監護権者として適当である場合には、親権者と監護権者を例外的に別々に定めることもありえます。
面会交流とは、一緒に暮らすことができなくなった親(非監護親)が、別居している子と面会・交流することをいいます。
直接会うだけでなく、手紙や写真の交付、プレゼントの受け渡しなどの方法も含まれます。
非監護親は、子どもと一緒に暮らしている親(監護親)に対して、子どもとの面会交流を求めることができます。
手続の流れ
父母が協議の上離婚する場合、監護者の指定や養育費の支払いなどとともに、親と子の面会交流についても協議により定めることができます。
また、協議で面会交流の合意が調わない場合、家庭裁判所に調停・審判を求めることができます
なお、法律上明文はありませんが、夫婦が婚姻中であっても、不和により一方が子を連れて別居したような場合、家庭裁判所は、面会交流について相当な処分を命じることができるとされています(最決平成12年5月1日民集54巻5号1607頁)。
このように、面会交流について、調停・審判の申立は離婚成立の前後に関わらずに行うことができるのです。
面会交流の目的
目的
面会交流の目的は子どもの利益のためです。
子どもと非監護親との交流の機会を設けることによって、子どもの福祉にプラスになるという考えから実施されます。
条文上も、面会交流は、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と定められています(民法766条1項)。
性質
面会交流はあくまでも子どもの利益を適えるためのものですので、監護親の都合で子どもを非監護親に会わせないようにすることは、原則としてできません。
しかし、子ども自身の体調や精神的状況、あるいは子どもが明確な拒否の意思を示した場合(一般的に15歳以上の子については、その意志が尊重される傾向にあります。)などは面会交流が認められないこともあります。
また、非監護親がDV加害者である場合などは、面会交流が制限される場合もあります。
また、いったん協議・調停・審判で面会交流の条件を定めたとしても、その後、子の成長に応じて面会方法を変更する必要が生じた等、事情の変更があれば、面会交流のあり方を、再度模索することになります。
面会交流の実施方法
面会交流の実施方法について明確な規定はありません。
したがって、面会交流の方法については子の福祉・利益を考慮した上で、当事者間で自由に決めることができます。
一般的には、月1回程度の面会交流を実施するという程度のおおまかな決め方をし、具体的な日時・実施時間・実施場所・子の引き渡し方法・交流内容などについては、監護親と非監護親とがその都度協議して決めることが多いです。
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