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面会交流の判断基準 〜子の最善の利益とは〜

  • 面会交流
 2011年(平成23年)の民法改正により、面会交流において、子の利益が最も優先されるべきであると明文化されました。

では、最も優先されるべき子の利益(ここでは、「子の最善の利益」と表現します。)とは一体どのようなものなのでしょうか。

家庭環境、子の生活状況や子の意思などは多種多様ですので、一概に子の最善の利益を定義することは困難です。

そのため、その時々に応じ、子の生活状況や意思を鑑みつつ、柔軟な対応が必要となります。

子の利益の判断に際して

 子の最善の利益の判断に際しては、子の意思を十分に考慮しつつ、面会交流が与える様々な影響についても熟考しなければなりません。

子が非監護親との面会を希望していたとしても、非監護親による連れさりや虐待のおそれがある場合や、非監護親がDV加害者であるような場合には、子の利益に反するとして、面会交流が行われないこともあります。

子の意思を反映させる手段

 家事事件手続法では子の意思の把握について、
『家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。(家事事件手続法65条)』
と定めています。

子の意思の把握方法

・子が15歳以上の場合
 審判時に、子の意見が必ず聴取されます。(家事事件手続法152条2項)

・子が15歳未満の場合
 家庭裁判所の調査官による聴取や、子自身の陳述書の提出等により子の意見を聴取することが一般的です。

なお、子に手続行為能力がある場合、子自身が手続参加できることとされています(家事事件手続法151条2号、118条、252条1項2号)。

また、裁判所は「相当な場合」に、職権で子を手続に参加させることができます(家事事件手続法42条3項)

面会交流実施時における子の最善の利益

 面会交流実施時においても、「子の利益」は考慮されなければなりません。

面会交流に関する合意や審判がなされた場合であっても、子どもの体調や心理状態に最大限配慮したうえで面会交流を進めていくことが必要となります。