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15歳以上の子どもとの面会交流

  • 面会交流
子どもが15歳以上である場合、どのような点に留意して、面会交流を行うべきでしょうか。

家事事件手続法における規定

15歳以上の子どもと面会交流の取り決めを行う際、裁判所は子ども本人の意思を聴取することが法律上規定されています。

家事事件手続法152条2項
家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判を除く。)をする場合には、第68条の規定により当事者の陳述を聞くほか、子(15歳以上のものに限る。)の陳述を聞かなければならない。

 
条文では「陳述を聞かなければならない。」と規定されているのみであり、子どもに自己決定権があるとまでは言えません。もっとも、子どもの意見には相当の重みがあると解されています。

子どもが非監護親との面会を希望しているにもかかわらず、監護親の意向で会わせなかったり、子どもが非監護親との面会を希望していないのに、無理に面会を実施しようとすることは、良好な親子関係を構築する上で、良い影響を与えません。

子どもは思春期であり、また今後の進路などに悩み、精神的、心理的に不安定な時期です。監護親は子ども任せにせず、子どもの心情を聞いて、面会をどのように実施するか、一緒に考えてあげることも必要となるでしょう。

大阪高等裁判所平成29年4月28日決定

父が、母らに対し、父を未成年者(15歳)と面会交流させる義務を履行しなかったとして、間接強制の申立てをした事案について、間接強制をするためには債務者の意思のみによって債務を履行することができる場合であることが必要であるが、本件未成年者のような年齢の場合は子の協力が不可欠である上、本件未成年者は父との面会交流を拒否する意思を強固に形成しているところ、本件未成年者の精神的成熟度を考慮すれば、母らにおいて本件未成年者に面会交流を強いることは未成年者の判断能力ひいてはその人格を否定することになり、却って未成年者の福祉に反することから、本件債務は母らの意思のみによって履行することはできず履行不能であるなどとして、父の間接強制の申立てを却下した事例です。
(判例タイムズ1447号102頁)